Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

衰退する日本のゴルフ市場におけるインバウンドの役割とは・・・・

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              インバウンド・ゴルファーの後進国“日本”、

                        積極的取組みでゴルフ人口は増やせるか?

 

❖ 前々回、ゴルフツーリズム・セミナーの様子をレポートしたが、ゴルフにおけるインバウンド・ゴルファー(訪日観光客ゴルファー)数が余りにも少ない現状は、見過ごすことはできない段階にまで来ている。全国のゴルフ場関係者は真剣に取り組む必要があるのでなかろうか。我々ゴルファーも理解が大切で、その意味で取り上げてみたい。

 

❖ いま、ゴルフ業界は先の見えない状況に包まれている。衰退の方向に歩んでいるのだ。その原因は、まずゴルフ人口の減少が止まらないこと、それに伴い、ゴルフ市場が縮小していることだ。反面ゴルフ場自体はそれ程減っていない。少子高齢化や若者のゴルフ離れ、ライフスタイルの変化などに原因がある。

 

❖ 「レジャー白書」によるとゴルフ人口が昨年2017年は550万人と最盛期の60%強の減少だ。驚くしかないが、この現象の数字に疑問を持つ専門家もいる。市場規模も最盛期2兆7400億円が1兆3500億円と半減している。3年前の数字でる。こうした人口と市場規模の縮小は、日本経済の動向や一般生活者のライフスタイルからみると回復する見通しが生れ難い。さあ、そうすればいいのだろうか。

 

❖ この現状を改善するために、PGAの諮問機関、経営戦略会議が1年をかけて作成した提言書が発表された。「ゴルフ市場再活性化に向けた新たな提案」という提言書である(2014年公表)。この提言の中には18の戦術課題が掲げられているが、その1つに「インバウンド・ゴルファーの誘致」(訪日観光客ゴルファーの誘致)が上げられている。

 

❖ この提言に応えるかのように2015年に日本ゴルフツーリズム推進協会が発足し、観光資源の1つである日本ゴルフツーリズムの振興とゴルフ経済効果を押し上げて行く目的で様々な活動が展開されている。前々回「ゴルフツーリズム・セミナー」の簡略なレポートをした活動もその1つである。

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❖ ともかく、ゴルフ業界は先ずゴルフ人口増加と事業規模の拡大を図らねば回復の見通しが立たない。このゴルフツーリズムに特効薬として大きな関心がよせられるもの必然であろう。海外の例をみると、2013年オーストラリアのインバウンドは2530万人、その内でゴルフプレーヤーが17.4万人、(総数の0.69%ほど)。タイでは、さらに2014年2480万人に対し40万人(1.61%ほど)も。

 

❖ それに対して同時期の日本は2000万人に対し12万人(0.6%)といわれている。この数字は2020年の目標4000万人では24万人となる。これからの取り組みによってはこの数字の倍0.12%、48万人に達することは可能ではないか、という観測もある。この48万人が消費する国内総消費額は、一説には2400億円に及ぶというから誠に大きい。(ある研究所の試算に基づく。)

 

❖ 仮に2015年のゴルフ市場規模1.35兆円の数字で見てみると18%ほどになる。2020年にどれほど市場規模は定かではないが、インバウンド・ゴルファーの役割の大きさがわかる。いずれにしても今後業界の取り組みによっては増加して行くインバウンドに対して、ゴルフ業界は真剣に取り組んで行く必要がありそうである。

 

❖ 本項はインバウンド・ゴルファーによる日本のゴルフ市場への貢献見通しについて触れてみたが、これを現実に結び付けるには、自治体とゴルフツアを扱うエージェントとゴルフ場、この3団体が密接な協力が欠かせない。その意味で、現在強力に取り組んでいる三重県や北海道の例を参考にしたい。下記にホームページを記しておいた。

 

❖ ゴルフ業界はまだまだ成すべきことが多い。身近のことでいえば、ゴルフ場やゴルフ練習場の改革も必須である。約2300あるゴルフ場の内、2020年には400場が余剰になるという。個々のゴルフ場が改革改善を図らないと明日の世界が見えない。我々ゴルファーがこぞって行きたいゴルフ場へ環境に変革してもらいたいものである。

 

参考資料:三重県の取り組み(日本ゴルフ経営者協会) 

         
www.mlit.go.jp/common/000204263.pdf
                 北海道の取り組み(北海道観光協会
      
www.mlit.go.jp/common/000204263.pdf