Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

人口減少のスポーツはゴルフ業界だけなのか?

人口減少のスポーツはゴルフ業界だけなのか?

❖ 文芸春秋9月号に「ゴルフ場『逆転の発想』のリバイバル」という記事が載った。ゴルフ業界の危機を書いた「ゴルフが消える日」(赤坂厚著/中公新書クラレ刊)は、当ブログで紹介したが、この記事は、危機にあるゴルフ場の再生取り組みを描いたもので、内容はゴルフ場運営の多様化を取材によって明らかにしている。


❖ このほど発表された「レジャー白書2017」によると、ゴルフ人口前年度760万人に比べて、2016年は550万人になったことが分かった。何と27.6%の減少である。1年間で110万人も減少するとは、本当だろうか。少々疑問も沸くが、減少傾向は間違いなく、著書「ゴルフの消える日」の切迫感が身に染みる。

❖ ALBA.Netの記事は、「ゴルフ場入場者数はゴルファー人口の減少ほど落ち込んでいない。年間平均活動回数はゴルフ場が17.8回(前年14.4回)、練習場が18.2回(前年15.9回)とともに増加していることから、ライトなゴルファーが減り、よりディープなゴルファーが残っているともいえそうだ」と記している。これからゴルフ場の減少が再びやって来るかも知れまい。業界は危機意識を高めた対策を講ずる必要があろう。

❖ スポーツ各分野の人口減少はゴルフ界だけなのだろうか。調べてみると、さまざまな分野でも減少が進行しているようだ。あの国民的スポーツの野球界も他人ごとではないようだ。野球競技人口のベースとなる小学生、中学性、高校生の状況を調べてみると、小学生中学生の軟式野球人口が激減している。

❖ 日本中学校体育連盟によると、軟式野球では2016年と2007年を比較すると、小学生が33%、中学生が39%減少している。では、硬式野球高校野球はどうだろうか。高校野球連盟硬式部員数は16万1573人(前年度3.6%減)、新入部員数(1年生)5万4295人(5.4%減)という。全体的には大きく減少していないように映るが、そうでもなさそうだ。

❖ 野球の現場の人達には違和感を覚えているようだ。高野連の八田会長は、この数字の中に、女子部員が8%ほど含まれていると語った。実質的に女子部員を入れないと大きく減少することになる。世間でこれからの日本の野球界を飢える人々がいるのも、こうした低年齢層から高校野球まで、競技人口減少の実態を踏まえてのことだ。


❖ いろいろなスポーツ分野を見て行くと、テニス、バレーボール、陸上競技など、競技人口の減少競技が大幅だ。人口減少社会に突入した現状を考えると、幾分納得するところはあるが、はてさてこの傾向はこれからどのように推移して行くのか。成り行きに身を任せると明日の世界がない。同じ環境のなかでも、卓球やバトミントン、サッカーなど、人口増加を示している分野があるので、彼らがどのような対策を取っているのか、ゴルフ業界も他業界を学ぶ必要があるだろう。

❖ 現在ゴルフ業界は、PGA、JGTOなどがゴルフ活性化のためにさまざまな施策を展開しているが、17団体も分かれている業界を連携するには難問が多いが、連携を創り出して、ご業界全体を盛り上げる施策が必要ではなかろうか。世間の注目を松山英樹一人に背負わせては気の毒だ。それぞれの分野の業界に一考をお願いしたいものだ。