Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

発見!実に楽しいゴルフの絵本「ワンダーランド ゴルフクラブ」

発見!発見!実に楽しいゴルフ絵本「ワンダーランド ゴルフクラブ


❖ ゴルフの楽しみには5つあるとゴルフ研究家の大塚和徳氏はいう。第1は技術向上の楽しみ、第2は良いスコアが出るようになった時、第3は各地の名コースに挑戦する楽しみ、第4がゴルフを通して多くの友人ができること、そして第5がゴルフにまつわる諸々の知識を深めることである、という。

❖ 当ブログ氏もこの5つを楽しんでいる。特に最近は第5番目の楽しみに接することの方が多いが、そんな中で、面白い絵本に出会ったのでご紹介しよう。先日ゴルフの古書を探していたら、珍しい“ゴルフの絵本”に巡り合った。さっそくアマゾンから取り寄せて一読。何とまあ面白いこと楽しいこと!!! 

          

❖ その本の名は「ワンダーランド・ゴルフ・クラブ」というイラストレーター嶋口信義が描いたもので、言葉は1つも登場しない。(集英社インターナショナル刊2000年発売)。内容は世界屈指の難コースのエッセンスをかきあつめ、煮詰めて設計した喫驚動点の夢18ホール。主人公ジジなるシニア・マン、キャシー役の少年ボン君、球探しの名犬アレキサンダー、そして必ず出没するボギー、ダブル・ボギー、トリプリ・ボギーなる「ボギーマン」(お化け)の諸君たち・・・。

❖ 絵を中心としたこの登場者が織りなす奇想天外、抱腹絶倒なる珍プレーはひとりクスクス、笑いが止まない。ゴルフ・ファンはたまらない絵本である。作家は、当代随一といわれたゴルフ画家、嶋口信義。イラストレーターとして広告や出版で活躍。ゴルフに出会ってゴルフ分野にも活動を広げ、日本ゴルフ協会のポスターやゴルフ・カレンダー、トーナメント・イラストなど、ゴルフを素材にしたイラストが広く注目されたひとである。残念ながら2012年に他界された。

❖ 彼のゴルフのイラストにはストイックな笑いやシニカルな優しさにあふれ、見る人を離さない、本当に楽しませてくれる。絵本「ワンダーランド・ゴルフ・クラブ」は、いま絶版になっていて、古書でしか入手できないが、アマゾンの検索では、まだ数冊出品されているようだ。

❖ この本のほかにイラストが楽しめるのは「世紀末的ゴルフ用語学」菊谷匡祐著/嶋口信義絵(日本文化出版刊)などがある。「世紀末ゴルフ用語学」は、菊谷匡祐が日ごろプレーによく使う用語を、エッセイとしてまとめたもので、読み甲斐がある。嶋口信義のイラストが可笑しくもあり、ペーソスに富んでいて、エッセイに奥行きを与えている。

❖ 菊谷匡祐はフリージャーナリスト、翻訳家、作家として活躍、開高健らと深い交流があったようだ。ゴルフではボビー・ジョーンズの名著「ダウン・ザ・フェアウェイ」の新訳や「ゴルファーの品格考」「ゴルファーの見識」「真説青木功」などがある。