Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

ダイキンオーキッドレディスに見る今年の女子プロの行方!

ダイキンオーキッドレディスに見る
今年の女子プロの行方!!

❖ 今年のLPGAツアーがスタートした。どんな大会になるのか、今年の行方を占う好適なゲームとしてみていたが、今年も韓国勢のパワーに振り回される結果となった。イ・ミニョンの見事な優勝であったが、10位以内に韓国勢が5人もいるではないか。

❖ オーキッドレディスの10年を振り返ってみると、10人の優勝者の内7人までが外国人が占めている。韓国以外はテレサ・ルーの2年連続2回優勝とO.サタヤだけだ。2010年と2017年はアン・ソンジュ、ほか朴仁姫、イ・ミニョンとなっている。

❖ アメリカにおけるLPGAの成績も韓国選手の勢いは止まらないようだが、改めて韓国のプロゴルファーの強さに舌を巻いてしまう。アメリカのゴルフ界では、韓国に学ぼうという姿勢が取り沙汰されている。日本でも韓国研究を深く掘り下げて、実践に生かすシステムを考えてみてはどうであろうか。

❖ 全美貞は日本選手と韓国選手との違いを問われた時、興味深いことを話している。それは「韓国で教えられた順番とは違う」ことを感じたという。「日本のゴルファーはまず“ボールをどこにどう飛ばすか”ということ、それには“クラブにどう当てるか”ということを考えるんだな、って思ったという。

❖ 韓国では“ボールはどこへ飛ぼうが気にするな”まず、いいフォームづくりを優先して体に覚えさせるんだ”と言われてきた、と。もう一つ技術面でいうと、パッティングの巧さがあげられるだろう。2017年度のパッティング数では、ベストテンの半分は韓国選手。トップが申ジエ、3位が全美貞だ。

❖ こうした技術面で優れている背景に、単なる練習の積み重ねだけでなく、メンタル面が大きく影響しているのではないか、と感じるがどうであろう。韓国でトップ選手になるには、中学生高校生のころから国家代表選手、代表常備軍選手になることが大きな目標となっているという。

❖ これらの代表になるには全くの実力主義で、海外・国内での公式戦に点数が付けられていて、その獲得点数によって選抜されることになっているという。しかも入ったからと言ってアドバンテージがあるわけではない。したがって、どんな大会でも選手たちに緊張感があり、自然に競争心が誘発され、真剣度が増す仕組みになっているようだ。

❖ 技術面もさることながら、こうした試合に勝つという強いメンタルが、プレーの様々な面に磨きを掛けていくのだろう。国家代表、常備軍合宿のメニューの中に、ゴルフ理論、メンタル、マナーがある。韓国ゴルフ界を取材したスポーツライター愼武宏は著書で「韓国では国家代表を頂点としたサバイバル競争がジュニア時代から日常化されており、その熾烈な競争の中で揉まれ鍛えられるからこそ、韓国人ゴルファーはしぶとく勝負強い。韓国ゴルフの強さは、ジュニア時代からの熾烈な競争とそこで烈しくぶつかり合う向上心にある」と言っている。(愼武宏著「イ・ボミはなぜ強い?」より参照)