Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

*杉原輝雄、ゴルフで鍛えた勝負師の人生訓に学ぶ 《 Part 2 》

杉原輝雄、ゴルフで鍛えた勝負師の人生訓に学ぶ 
《 Part 2 》

❖ 前回は、6月生まれのプロゴルファー杉原輝雄の「究極の言葉」(雑誌「書斎ゴルフ」の特別編集号(2010年6月15日発行)よりピックアップして4つほど紹介したが、今回はその続きを書くことにする。彼の言葉を人生に置き換えて読んでもらうと、その真価が一層高まるものと思われる。


❖ 5つ=勝利に謙虚になれ〜100点で勝った試合などない。ラッキーばかりで、それを埋めるには練習や。勝ったのではなく、勝てたんや〜人間は、何かしらいつも何か足りんと飢餓感を持っていないとやっていけんもんですよ。それにはゴルフに対して謙虚になっていなければいかん。そうしなければ、もっとや!、ワンモアや!という気持ちが起きてこんでしょう。勝利した試合を分析して次へのステップをと、前向きにならんといかんわけです。

❖ 6つ=最終ホールが明日への希望の道〜最終ホールはプロに取って明日への弾みやが、アマにとっては“壁への挑戦”なんや〜ラウンドで重要なホールは、1番と18番と答えます。この2つのホールはその日のスコアを左右するほどの影響力を持っているからです。18番は目の前で起こることが精神的な重圧も掛かるから、それを克服せにゃあかんという意味で大切なホールなんです。


❖ 7つ=勝負に強くなるには自分を騙せ〜勝負強い人間は自分を楽にさせる抱負を知っているもんや。試合で追いかける側と追いかけられる側にとって、心理的負担の大きいのはやはり後者です。追いかけられる側に、その不利を軽減する策があるとすれば、相手のミスに絶対付き合ってはならんという鉄則です。緊迫した場面では誰もが苦しい。そんな時気持ちを楽に持っていくよう自分を騙してやらなければならんのが一番大切なんやろな、と。

❖ 8つ=諦めの悪さが根性に繋がる〜未練がましく諦めが悪い性格でええ。だからこそ今も現役でいられんや。優勝してマスコミが自分のことを取り上げてくれるのは気分がいいもの、プロゴルファーでも数少ない選手しかできん優越感にも浸れる。だからできるだけ長くそうなっていたいと思う。そのためにも今毎日、過酷な加圧トレーニングを行なっている。未練がかしく今も頑張っていられるんやと思います。

❖ 9つ=「ありがとうさん」で、楽しくやれる〜感謝の気持ちを持てば、前向きに生きていけるんや。何かをやろうとしたとき、やらせてもらったと感謝の気持ちを持てば気分が良くなって、辛いことでも楽しくなります。ボクは常に「ありがとうさん」と感謝の気持ちを持つようにしています。それを忘れないためにも、ご先祖さまに感謝しています。自分が地球上に存在して楽しい人生を送らせてもらっている。それはご先祖様がいたからです。

❖ 以上がこの雑誌「書斎ゴルフ〜特別編集号」から拾った9つの「ゴルフと人生〜究極の言葉」である。この雑誌には100も言葉が載っている。もちろんゴルフの技術論もプレーの心得も含まれている。雑誌発行が2010年6月だから、杉原輝雄は70歳を過ぎてもまだ現役で活躍していたころである。

❖ 亡くなったのはその1年と6ヶ月後の2011年12月だった。プロゴルファーとしてこれほどゴルフというスポーツに一生をかけて立ち向かい、ゴルフを極め、人生をも極めたプロもそんなにいないのではないか、とつくづく思っている。また教えられるところが余りにも多い。ゴルファーのみなさんもこの雑誌を探して熟読することを勧めたい。

❖ 6月生まれのゴルファーとして杉原輝雄にスポットをあてて、月を跨いで紹介しましたが、当雑誌の発行がもう8年前で、なかなか手に入り難い・・・。書籍になれば、より多くのゴルファーに親しんでいただけるのではないかと密かに書籍化を期待している一人である。新宝塚カントリークラブ内に「杉原輝雄記念館」があり、彼の200点にのぼる遺品が展示されているという。いつか訪問したいと思っている。(了)