Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

杉原輝雄、ゴルフで鍛えた勝負師の人生訓に学ぶ 《 Part 1 》

杉原輝雄、ゴルフで鍛えた勝負師の人生訓に学ぶ ‼ 《Part1》

❖ 梅雨最中の6月生まれのプロゴルファーは意外に少ないように思う。さまざまな資料を調べてみると、外国勢ではゴルフの歴史に足跡を記すトム・モリス(シニア)、PGAツア通算51勝、世界ゴルフ世界ゴルフ殿堂入りしているビリー・キャスパー、グランドスラム達成に後一勝の現役フィル・ミケルソンなど、歴史に名を遺すプロゴルファーを上げることができる。

❖ 日本のプロゴルフ界では杉原輝雄がいる。1937年6月14日生まれ、2011年12月に74歳で亡くなるまで約50年にわたりプロ生活を送り、通算勝利数63勝の記録を残している。68歳10ヶ月での予選通過は日本ゴルフツアー最年長記録である。米サム・スニードの持つ67歳2ヶ月を上回る大記録の保持者でもある。


❖ その杉原輝雄がゴルフを通じて作り上げた人間像を振り返ってみると、我々一般のゴルファーは勿論のこと、人生の来し方行く末を考える時、教えられることが非常に多くある。人生訓には孔子をはじめ歴史上の人物の名著から教わることが多いが、ゴルフを通じて人間を鍛え、ゴルフの勝負師として一生を送った彼の片言隻句は身に染みて響いてくる。

❖ 雑誌「書斎ゴルフ」の特別編集号(2010年6月15日発行)は“ゴルフ上達:杉原輝雄100の言葉”というタイトルで、己に克つ心・技・体の言葉を載せている。


写真:2000年の太平洋マスターズゴルフでプレーする杉原輝雄さん=静岡・太平洋クラブ御殿場コース(2000年11月09日【時事通信社

❖ 一読して「ゴルフと人生の究極の言葉」を彼自身から聞いている気持ちになった。プロゴルファー杉原輝雄は人生においても一流の人物であったことを伝えている。

❖ 杉原輝雄の言葉を拾ってみよう。「究極の言葉10」「心の言葉29」の中から、ゴルフにチャレンジする姿勢から人物像が浮かび上がってくる言葉は、我々を引き付けずにはおかない。

❖ 1つ=「ゴルフも人生も七転び八起き」〜ゴルフは人生と一緒。失敗しても次ぎから頑張ればええんや。ゴルフにはミスが付き物。だからミスしてもくよくよしない。次のショットで頑張ることや。それがゴルフの素晴らしいところだし、やりがいのあるところでもあります。

❖ 2つ=勝負の時点に「諦める」の文字はない〜一生懸命にならなぁ損やんか。粘らなあかん。諦めたら自分が損するだけやないか。一緒に合格したプロが次々に所属プロとしてスカウトされ残ったのは僕だけ。五角形のスイングが不格好ということで・・・。そりゃショックで情けのうて。しかし、今まで以上に曲がらないスイングの取得に励んだ。あのとき諦めてたら、今のボクはありません。

❖ 3つ=絶えず挑戦し、小さくまとまるな〜安全策では上達しない。思い切った挑戦が自分を成長させるんや。安全策ばかり高じていてはどんどん自分のゴルフが小さくなってしまって、それでまとまってしまうと、その殻を抜け出すのは凄く難しくなるもんです。だから普段からチャレンジしていく。チャレンジして反省して、何が足りんのか、何が必要なんかをきっちりと見極めることです。

❖ 4つ=人には変則、自分には基本〜基本とはその人の体力や癖にあったものを言うんや。人からの借り物は真の基本やない。ボクのは変則的ノーコックの五角形スイングですが、これはボクにあった基本だと思っています。自分に合うものを取捨選択しながら取り入れて、練習で体感しながらつくりあげていくしかないんです。

 上述のように、杉原輝雄はゴルフの基本的なことを語っているが、“ゴルフ”という言葉を“人生”という言葉に置き換えてもそのまま通用する内容ではないかか。杉原輝雄の顔の皺と目の光は、ゴルフを真剣に立ち向かうことにより会得した揺ぎ無い人物像といって差し支えないと思う。この続くは次回に・・・。(了)