Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

*川岸史果の“一打の思い”!

*川岸史果の“一打の思い”!  〜ツア「ワールド・レディスCS」〜

❖ GW終盤に展開されたメジャー戦「ワールド・レディス・チャンピオンシップ」は、プロゴルファーの妙技と熱戦を展開してくれた。なかでも最終盤、昨年に続き2連覇を飾るかレキシー・トンプソン、先週に続き2連勝をもぎ取るかキム・ハルヌ、そして開幕戦より優勝争いを演じるニューフェース川岸史果の初優勝なるか、見どころのある接戦だった。

❖ 最も印象に残ったのは、最終組18番ホール〔パー4〕のグリーンの戦いだった。キム・ハルヌはグリーン奥のバンカーから3打目を手前グリーンエッジに。レキシー・トンプソンはピン手前横5ヤード余のバーディチャンス、川岸史果はグリーンに乗らず、手前1ヤードほどの花道だ。注目は川岸の外からのパットの狙いだった。

❖ この時の戦況はトップのキムが4打差を付けて〔ー10〕、レキシーと川岸そして先に上がっているコ・ジンヨンが〔−6〕で2位である。注目は3人のうち、誰が単独2位か2位タイか、それとも3位か4位かの争いだ。ファンは川岸の活躍を期待している。それだけにグリーン手前から川岸の1打目のパットに衆目が集まった。

❖ 川岸のボールは、2打目がピンまで15ヤード余のところ。ピンまでややフックライン。そこを彼女は狙いで打った。ピンの位置はメジャー大会だけに非常に難しく、お椀を引っ繰り返した形状で、上よりやや下がったところに切ってある。競技委員もこの位置にカップを切っていいかどうか迷ったほどのホールセッティングだった。

❖ 川岸のボールはボール1つ外れ2ヤードほど下って止まる。そして2打目のスライスラインはカップインを逃し3パットに終わった。結果は4位に。さて、この時の川岸の心理と戦略をどう読むかを想像してみると、レキシーのバーディが固いとみて、1パットを狙った、というのが大方の見方であろう。しかし大変難しいピン位置だけに外れた時のボールの位置は予想し難い。結果2ヤード余オーバーした。

❖ レキシーはバーディならずパーで終了。コ・ジンヨンと〔−6〕と同スコア。川岸は返しのパットも入らずボギーとし、〔―5〕で4位に終わった。解説の塩谷育代は、賞金を稼ぐというプロの姿勢はファーストパットにかかっていると話していた。単独2位か3位の差が約300万円。結果は上記のようにバーディを狙いの3パットで終わった。

❖ 解説塩谷プロと古閑美保レポーターは1パットを狙った川岸の若さとチャレンジ精神を評価していたが、この経験を今後どのように活かすかが課題であるというコメントも忘れなかった。パットの1打という重さ、判断の難しさを教えられた。(了)