Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

定年後の人生に“ゴルフ生活”を   選ぶ人たちの勇気と喜び!

 ❖ 定年後“ゴルフ人生”というこれまでの仕事と縁を切り、新たな人生の道を切り開く人々がいる。その姿を書籍にして、ゴルフ世界の素晴らしさをわがものにして人生を送っている人を紹介しよう。「定年」という人生の1つの区切りを控えている人、またすでに迎えている人のこれからの参考となれば幸いである。

 

❖ 気力、体力、知識欲など、定年を迎えたとは言え、まだまだ現役と比べて引けの取らぬと認める人も多いことであろう。それだけにこの余りある時間をどう生かして過ごすか、それには大きく2つの道があるように思う。1つはこれまでの仕事を生かした職種を選ぶ人、もう一つは全く新しい分野にチャレンジする人である。

 

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❖ 後者の新しい道としてゴルフを選んだ人の姿を描いた書籍を紹介したいと思う。定年を迎えた大学教授が継続して学問の道を選ぶのではなく、ゴルフの道を選び、シニアとゴルフの豊かな生き方を書いた佐藤拓宋著「定年後はゴルフでシングルの腕前をめざそう」(亜紀書房刊/2000年)は大いに参考となる。工科系の学究生活を40年務めた教授だけあって、内容の論理的分析とその取組み方は読者をゴルフの世界に誘う魅力がある。

                                                                                                    

❖ 著者は後者を選択し、ゴルフの世界に突進する。定年になって著者は、学問の専門の道を捨て、長年励んできた上級クラスのテニスも退けてゴルフを選ぶ。その選択はなぜか。選び方の条件がユニークである。

 

❖ ゴルフの選択条件をあげると、(1)結果が数値で表現されること。これは上達のレベルが明確で公式的なもの。(2)若い人と対等にプレーでき、勝負もできるもの。体力低減で能力が落ちる種目は気力が萎(な)える。(3)自然環境のなかで楽しめるもの。自然の変化と解放感が味わえるもの。以上3点が自分の求める種目に沿っているとしてゴルフを選択したという。

 

❖ 定年が間近になったころ、ゴルフ情報に接する機会が多くなり、日刊スポーツで募集していた「アメリカゴルフ留学」の募集広告が目に入った。最初から始めるなら留学して覚えてきた方が手っ取り早いのではと思い立ち、定年になったその年に応募する。プロを目指す若者と一緒に参加したスクールは「セントジョージ・インターナショナル・ゴルフ・スクール」。セントジョージ市はラスベガスから車で2時間ほどに位置する街。

 

❖ それから獅子奮迅の活躍が始まる。スクールは短期、中期、長期のクラスがあり、授業内容も、コーチ陣もしっかりしている。著者は体力を考慮して短期コース(1カ月)を選び、2年間に5回受講を果たしてシングルとなる。本書は元大学教授の2年間シニア武者修行の姿を克明に記したものだが、詳細の内容は本書に譲るとして、例を挙げると次のような内容だ。

 

❖ 「60歳からゴルフを学ぶことの素晴らしさ」ではシニアがゴルフをすることの魅力を語り、ゴルフ留学の内容や生活するセントジョージ市の環境、「ゴルフ研修のメニュー紹介」では、レッスンの内容やトーナメントへの出場、PGAツアーの見学、現役のプロゴルファーの指導など、実践型レッスンの豊かさを記している。

 

❖ 著者の共感した言葉に、日本のシニア大会で優勝したゲーリー・プレーヤーの優勝会見での言葉がある。「62歳の私が今回証明したのは、ゴルフのすばらしさだ。たとえ70歳になっても優勝できるスポーツだということだ。他にこのようなスポーツがあるだろうか。」(G・プレーヤーはキャリアグランドスラム達成者した5人の一人。1935年南アフリカ生まれ。)

 

❖ この書籍は定年後ゴルフを選ぶ人々ための良き事例となろう。著者の佐藤拓宋氏は東京工業大学の教授であったが、夫人は音楽家の森ミドリ氏。本文中に、妻からみた夫の定年の姿が書かれている。いつも前向きな取り組む姿勢が夫人にも影響している様子・・。仲の睦まじさがつづられている。この睦まじさもシニア生活には不可欠な要素の1つなのである。