Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

*宮里藍ちゃんの魅力と輝きを探る!!

*宮里藍ちゃんの魅力と輝きを探る!!

❖ 藍ちゃんの記者会見をみて、「サントリー・オープン」のプレイ態度やインタビューに応える姿に、爽やかな魅力を感じた人は多かったのではないか。昔からのファンでも改めて彼女の魅力と人柄を感じ取ったにちがいない。

❖ 藍ちゃんは人柄がいい、それだけではないころに、世界のゴルフファンの思いがある。引退を知った米LPGAのコミッショナーがいち早くメッセージを寄せてきたのをはじめ、世界の一流選手が引退を惜しみつつ、感謝の言葉を寄せている。藍ちゃんを目ざしてゴルフ界に入ったプロ選手、一緒に戦ってきた同僚選手などは、彼女との会話から生まれた一言ひとことがゴルフ人生の支えになっているともいう。
❖ 人柄とは、もって生まれた性格の上に、生後努力により身に付けられたもので、自然に備わるものではない。ましてや人格を身につけるとなると、弛まぬ努力が必要であるが、藍ちゃんはゴルフから会得してきた人である。その彼女はどんな家庭環境から、あるいは、どんな学校生活からこの人間力ともいうべきものを磨いてきたのだろうか。興味を覚えたので、父さんの優氏の著書「宮里流ゴルフ子育て法」(日経ビジネス文庫)を読んでみた。

❖ 「子は親の鏡」という。宮里家のご両親は、人格者、古い言い方をすると人間学を身につけておられた人。正義を重んじ、愛情豊かに、厳しい環境の中で生きてこられた人である。長男聖志、次男優作、長女藍の3人はそのご両親も元に、学校一番、ゴルフ二番という姿勢を崩さず、学業とクラブ活動を済ませてからゴルフの練習をするという生活を過ごしたという。

❖ 特に優氏の家庭内の指導は厳しく、善悪の区別、生活習慣の規則正しさ、人への思いやり、人前で堂々と自分の意見が言える人になることなど、人間としてのあるべき姿を、日常のなかで深い愛情を持って教えている。この本を読んでいて、子供の教育はおろか、我々大人にさえ気づかされるところが多い。素晴らしい教育方法である。

❖ 優氏は本の中でこう言っている。「私はゴルフを通じて子育てをしようと考え、そのようにやってきた。ゴルフにも、柔道や剣道と同じように「道」があると考えている。ゴルフ道とも言うべきだろう。だから、子どもたちにも良いスコアを出すことだけでなく、一流プレーヤーとしてゴルフの技術はもちろんのこと、ゴルフを通して自分の人格を磨くことを求めてきた。」

❖ 「もちろん、これはゴルフプレーヤーにかぎったことではない。子育て全般に関わること、いわば『こんな子どもに育てたい』という私の目標である。」と前置きして子育てに役立つ8つの条件を書いている。箴言に満ちた素晴らしい言葉の数々だ。ここでは触れないが、子育てされている親御さんには、ぜひとも読んでほしい本である。

❖ この本には優氏の親として、教育者として人間として、戦い抜いてきた姿と、子どもたちへの優しい眼差しが詰まっていて、読む人を捉えて離さない。優氏の生き様が溢れている。こうした両親に育てられた3兄妹は、品格のある立派なプロとして人間として、そして魅力を備えた人間に育ったことを実感した。「子は親の背中を見て育つ」というが、まさにこの言葉がそのまま当てはまるご両親と子供たちの一家である。(了)