Golf My Wonderland

ゴルフエッセイ~見たこと読んだこと気づいたこと~気ままに書いています。

「ジュニアゴルフの課題」についてシンポジューム開く!

❖ 将来のゴルフ業界を担う世代、東京オリンピック以降に活躍が期待されるジュニアゴルファーは現在の小学生から高校生の世代だ。ゴルフはスポーツの中でも審判がいないスポーツとして個人の資質を磨ける珍しいスポーツである。しかし他のスポーツと比べ決して盛んなスポーツとはいえない。先日ジュニアゴルフ界に横たわる様々な問題課題を論議するシンポジュームが熱く開かれた。その感想を、個人的な受け止め方として記してみたい。

❖ 日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)主催のシンポジューム「タウンミーティング」がそれで、9月26日(2017年)霞が関コモンゲート:霞が関ナレッジスクエアで開かれ、このジュニアゴルフの問題が討議された。パネリストはジュニアゴルフ界で指導的な立場にある人たち4人による現状報告と参加者を交えた熱心なシンポジュームであった。

❖ 1部では、パネリストのそれぞれの立場から活動内容の説明、2部は、来場者も参加しての討論会であった。その内容を個人感覚で整理すると、1)現状の指導環境における問題点、2)ジュニアゴルファーと保護者の課題、3)ジュニアゴルファー人口増の課題、4)その他となる。

❖ 1)現状の指導環境における問題点、その1つは、他のスポーツと比べてお金がかかること、指導者あるいはインストラクチャへの指導料が十分支払えない環境にあること。指導者らの個人的意欲に頼るところが多く、公的機関からの支援(たとえば市役所など)や企業からの支援が全体的に極めて少ないのが現状で、資金難のところが多い。

❖ 2)ジュニアゴルファーと保護者の課題では、子供たちはゴルフを手掛けていることで天狗になる傾向があること、上から目線になる場合が多いという。お金がかかるスポーツであり、家庭が裕福でないとできない環境に起因する。どの位掛かるか。パネラーからは小・中・高通して2000万円程度という。1ヵ月20万弱必要になる計算だ。

❖ 従って保護者は、可愛がって育てた子供たちを、一流選手にさせたい気持ちが強い。そうなると、保護者と指導者と子供そしてプレーの関係がさまざまな面に顔を出すことになる。やはりここで問題となるのが、保護者の姿勢であり、過保護の子供たちによる特殊な環境であろう。他のスポーツのような気楽にできるな環境が生れ難いのだ。

❖ 3)ジュニアゴルファー人口増の課題では、2021年問題と絡む。団塊の世代が70歳を超える時代が来る。社会活動から身を引き、子どもたちは少子化に拍車がかかる。そうした環境のなかでいかにジュニアゴルファーの人口を増やして行くか、難問といえる。

❖ ブログ氏の意見としては、人口増を考える上で、先ず資金面の対策が必要だろう。アメリカのジュニアゴルフ界は一般企業からの寄付金が数十億円に上るという。日本の場合は公的機関や大企業のジュニアゴルフへの理解が非常に少ない。この面からの対策が重要であると思う。2つ目は他のスポーツと同様に、中学校・高等学校にゴルフ部が少ないこと。これを増やす必要があろう。ゴルフはお金が必要のため、公的機関や地元企業、団体の協力が協力することによって個人ではお金がかからないような環境づくりが求められる。その意味では、PGAを中心とするゴルフ組織や団体に大きな活動が期待される。

❖ 一般的にゴルフというスポーツが、贅沢なスポーツと受け止められている傾向がある。その代表的な課題が「ゴルフ場利用税」である。東京オリンピックの競技種目となるゴルフに、プレーすると税金がかかるという、何とも呆れた法律があり、これを撤廃ができないでいる。政治家や行政、企業や社会組織のトップの意識が贅沢なスポーツという受け止め方があるからだろう。それでいて安倍首相はじめ企業や組織のトップの人達はゴルフが大好きときているのだから呆れてしまう。

❖ ゴルフが紳士淑女のスポーツとして一般的に認められ、社会的に尊重されるには、今後どれほどの時間が必要なのか、予想もつかないが、われわれゴルフを愛する人種が、一人ひとり努力することの大切さとともに、JGAはじめゴルフ17団体が連携して、この大きな課題に具体的に取り組んでもらい、ゴルフ後進国の異名を速く返上したいものである。